@d_tettu blog

メディアとかウェブとかネコとかそこらへん。たまに日記。

HuffingtonPostが新しいアプリ「Huffpost Realtime」を公開してた

寝て起きたらApple Storeのおすすめに掲載されていた「Huffpost Realtime」。最新ニュースをタイムライン形式で提供することに特化したアプリのようで。
 
 
まだVer1.0なのでこれから機能追加などするのかもしれないが、超シンプル。既存のアプリと食い合わないのかなあ。

ファーストビューにどどーん

f:id:tettu0402:20150509104714p:image
スワイプ無しで表示されるコンテンツが1.5程度とかなり一覧性には欠ける仕様。スライドして見ていってね的な?
 

右にスワイプでブクマ

f:id:tettu0402:20150509104655p:image
スワイプさせてブクマしたコンテンツは、右上のしおりマークをタップするとブクマページに遷移。
f:id:tettu0402:20150509104628p:image
これまでブクマしたコンテンツがズラー。表示はほぼ同じ。
 

写真のスライドショーはFacebook風

f:id:tettu0402:20150509104616p:image
ブラウザ版では縦にスライドさせる形式だったものが、ここではFacebookのアルバム風に表示されるように。1ページごとにディスクリプションも。
 

f:id:tettu0402:20150509111017p:plain

なお、コンテンツ右上の三点リーダーみたいなのをタップすると、共有やフォロー解除が表示される。
 
「エンジニアからのコメントはありません」これは誤表示ぽい。意味合い的にはキャンセルのようだ。まあそのうち修正されるでしょ。
 

アプリにうつる競争の舞台

2年ほど前までは「ブラウザだー」みたいな雰囲気もあったが、ここ最近では競争の舞台がアプリに移行している。昨年10月にニールセンが発表した調査では、アプリはスマホの利用時間のうち72%も占めていたそうな。

f:id:tettu0402:20140930090008j:plain

また、一人あたり月に1回以上使用するアプリは27個で、月に10回以上となると9個しかない。毎日数多くのアプリが発表されているにも関わらず、ホーム画面のトップに置かれないアプリは全然使われない、っていう構造だ。

f:id:tettu0402:20140930090045j:plain

アメリカでの調査結果でもアプリの利用個数は日本と同等の個数になっており、過去の推移をみても増加していませんので、今後日本でも、利用されるアプリの個数は27個前後を推移するであろうと予想されます。そのため、ユーザーに日々利用してもらえる新たなアプリをリリースする場合、アプリを提供する企業は既存のアプリを押しのけることができるものを作る必要があります

スマホ利用は27個のアプリで利用時間の72%を占める~ニールセン スマホアプリ利用状況を発表~ | ニュースリリース | ニールセン株式会社

「Realtime」でアプリ競争をどう戦うのだろう。市場はそのうち競争過熱で焦土になってしまうのだろうか。メディアバブルのこのご時世、一度全て吹っ飛んで阿鼻叫喚地獄となってしまえば、それはそれでそれぞれの矜持を垣間見ることができるのかもしれないなあと夢に見てまた寝る。

「新しいメディア」の虚無感

f:id:tettu0402:20150424004605p:plain
メディア界隈の変化が激しい。スマホシフトとソーシャルメディアの隆盛で情報流通構造はここ数年で激変したし、それは既存メディアのビジネスモデルやコンテンツの在り方にまで影響を及ぼしている。各社(の中の一部の人たち)はこれまでの戦い方ではまずいと、新しい環境に適応しようともがき、試行錯誤を繰り返している。

その一方で新しい勢力も出てきた。数多くのバイラルメディアやニュースアプリ。僕はどれほどの残骸を眺めてきただろう。

大量のガソリンを積んで登場したそれらの多くはさほど燃焼せずに退場し、幸運な幾つかはnetgeekに取り上げられてちょっとした花火を打ち上げてその後は定常運転だ。人はそれをスペースデブリと呼ぶ。

メディア市場の動向を探れば新しい何かが見えるかなあと思い、ニュース界隈に関わってからの2年半、ウォッチを続けてきた。著名人がブログを書いてはそれを読んでヒントを探り、新しいメディアが生まれては「あー、あそことバッティングするなあ、どう戦うんだろう」と思いながらはてブしたりツイートしたりしてきた。

生来からの収集癖で情報を集めるのは全く苦でなかったし、変化し続ける環境に身をおくのもどこか楽しさがあった。寝不足でもRSSリーダーの未読数をゼロにしないと落ち着かなかった。新しい何かが生まれる瞬間を見逃すのではないか、という奇妙な焦りがあった。ビッグウェーブを逃したくなかったのだ。

この数年で「ウェーブ」は幾つもあった。「NEWSどうぞ」なんてくっそダサい名前だったSmartNewsは今やニュースアプリの旗手として半端ない存在感を放っているし、The Huffington Postはいわゆる「バイラル」ではないけれども、ソーシャルからのトラフィックを地盤に成長を続け、今や「バイラル」の成功例だ。

そのウェーブに伴い、「これからのメディア」なんてイベントや議論を見かけることも多くなった。メディアウォッチャーも増え続け、上述したように色んなメディアなんかも出てきた。

価値ある何かは生まれたのだろうか。

僕の日々は特に何も変わらなかった。RSSリーダーを未読件数ゼロにしてからはてブをみて、ツイートをあさってふむふむとニュースを読み込む。別に新しい体験をもたらしてくれるメディアやコンテンツを、日常的に消費することなんてなかった。

「新しいメディア」や「新しいコンテンツ」は市場最適化したカタチで僕の前に現れるだけだった。「ソーシャルを基軸とした住宅・ライフ系コンテンツに市場可能性を感じる」。例えば、そう言った人たちがパッケージングを変えてやってきただけだった。

もちろんそれはそれで「新しく」はあるのだけれども、特に僕の中の何かが変わるわけではなかった。変化したのは流通だけだった。

流通の変化に最適化しただけのコンテンツ。

そんなことを二日酔いの頭でぼんやりと考えていると、なんだか虚しくなってきた。手元のiPhoneは今日もニュースアプリのプッシュに筺体を震わせる。「カカシと性行為した男性が変死 現場に奇妙な光景=アルゼンチン」。どうやらそれが、最適な情報を最適に届ける新しい時代のメディアのプッシュらしかった。カカシ。


最近になって、本を読むことが増えた。休日になると数冊の本を持って近所の焼鳥屋に行き、それを読む。お腹がふくれると今度は自宅に帰ってコーヒーを飲みながら読む。目が疲れてくると猫と遊ぶ。

下野新聞の60回にわたる連載「貧困の中の子ども」。そこには「新しいメディア」なんてものは皆無だし、文体はどちらかというとトラディショナルだ。でも、胸にくるものがあった。

貧困の連鎖と、そこから脱することのできない家庭環境の複雑さ、支援する人たちの思慮と家庭に関与することの難しさ。

「新しい」ってのは一旦置いておいて、いま、汗をかいている人は誰なんだろうと思った。脳裏に浮かんだのは少なくともカカシではなかった。僕は汗をかくカカシを知らない。

「新しい」を考え続けるのは大事だし、模索するのも良いけど、現実的に汗をかいて誰かの役に立つコンテンツを作り続けている人たちを忘れちゃいけないなあと、ガンガン痛む頭の中でぼんやりと思う。カカシの裏では、リアルな汗をかいている人たちがいるのだ。僕はそのことを忘れてしまいがちだけれども。

記事読了率とシェアは無関係なのか

コンテンツマーケティング、ネイティブアドの隆盛を背景に、読了率をめぐる話題がホットなようだ。記事を通じてユーザーを見込み客へと育てたい広告主側と、スマホ市場の拡大でPVベースの収益構造に限界が見え始めたメディア側、双方のニーズにより盛り上がってきたのではないか。

これまではどの程度読まれたのかという指標に「シェア」を用いることもあったかと思うが、シェアと読了率はどのような関係性にあるのだろう?

関係性をさぐるのが難しい「シェアと読了率」

Upworthyが2014年の2月に発表した調査結果によると、シェアと読了率は簡単な1次関数のような関係性ではないらしい。
コンテンツの訪問者に占めるそのコンテンツをシェアした人の割合と、コンテンツのAttention Minutes(コンテンツの何%を読んだか)の相関関係をグラフ化した図がこちら(資料:Upworthy)。
f:id:tettu0402:20150423135825j:plain

25%読んだだけの訪問者でもその8%近くがシェアしているが、完全に読了した後もコンテンツを開いている訪問者に占めるシェアした人の割合の方が高いことが分かる。最もシェアする人の割合が低いのは8割ほど読んでからコンテンツを離れた場合で、コンテンツにシェアする価値がないと判断した結果だろう。
読まずにシェアする人は意外と少ない──Upworthy調べ - ITmedia ニュース

Slateによる調査(Chartbeatsというツール使用)もシェアと読了率の関係性を読み解こうとしたものの一つだ
f:id:tettu0402:20150423140412j:plain
多くの訪問者はスクロールせずに離脱し、50%前後を境に読了率は減少していく。
f:id:tettu0402:20150423140900j:plain
そして読了率(スクロール率というべきか)とツイートの関係性をグラフ化したのが上の図だ。うむ、さっぱり分からん。無関係じゃね。

Chartbeatの主任データサイエンティストを務めるJosh Schwartz氏は次のように述べる。

(ある記事に関する)ツイート数とその記事へのトラフィック総数との間には、明らかに相関関係がある。だが、最もじっくりと読まれている記事と最も多くツイートされている記事との間に、関連性は全くない
多くの人はツイートした記事をあまり読んでいない--Chartbeat調査 - CNET Japan

読了率とはやや異なるが、BuzzFeedのデータサイエンティスト・チームは、シェアと滞在時間の関係性をこう話した。

ソーシャルメディアでシェアする人たちの大半は、デスクトップだと3分半、モバイルだと2分以上滞在してからシェアする。
You're not going to read this | The Verge

ここでいう「大半」がどの程度のものなのか、それぞれの滞在時間でどの程度シェア数に違いが出てくるのかなど、細かいグラフや記述を見つけることはできなかった。

「読了率」そのものがどうやって測定されているのか、スクロール率で測っているのかビーコン仕込んでビューで見ているのかなど、ツールによってバラバラではあるだろうが、読了率とシェアとの関係性は簡単には解き明かせなさそうだ。無関係じゃね。

色々と見ていて実感として思うのは、少なくともじっくり読む人はそんなにいなんだな、というものだ。「ざっくりvs.長文」なんてことが話題に上がったりもするが、文章の長短なんて本当はあんまり関係なくて、斜め読みでもざっくり主旨を理解できる文章構造だとか、何について述べているのかなどを想起させる画像の使い方であるとか、そういうものの方が大事なんじゃないのか、とか思ったりもする。

読了率でみるよりは、そういった構成要素とシェアとの関係性を読み解いたほうが、この場合は有益な結果が出るのかもしれない。

BuzzFeedとThe Guardianのシェアされているものが想像とズレてた

リスト型で稼いでいるんでしょ?と思っていた時期が私にもありました

「どうせリスト型とか速報なんでしょ?」と思っていた節もあったが、ソーシャル系分析サービスを提供するBuzzsumoの調査によると、どうやらBuzzFeedとThe Guardianで長文がシェアされている傾向にあるという。buzzsumo.com

対象となったのは4月1日〜10日の10日間、BuzzFeedは2,426記事(平均5,263シェア)、The Guardianは6,717記事(平均485シェア)。それぞれの投稿タイプ別の分布図は以下のようになっている。

f:id:tettu0402:20150415050412j:plain

「What Post」ってなんやねんという話はちょっと置いておいて、筆者は「BuzzFeedのショートコンテンツがシェアを稼いでいると思うかもしれないが」と述べる。が、実際のところは「3,000文字以下のコンテンツが多くを占めたが、長文の方が平均で38,000シェアされるなどかなりのパフォーマンスをたたき出している」。

f:id:tettu0402:20150415050834j:plain

昨年末に書いた投稿で、Huffington Post UKの編集長の長文について引用したことを思い出す。

「それは200文字で表現できないよね。君はツイートで反応することはできるけど、何を本当に意味しているのか、何について話しているのか、彼らの信念は何なのか、君のグッときたことについては、そんな少ない言葉じゃ表現できないはずだ」。

ハフポ編集長は、長文型の情報消費をサポートするものとして、「immersive(没入)」と「interactive」、「simpler combination of text and images(テキストと画像のシンプルな組み合わせ)」を挙げるが、そのあとに「君が書いているものに『中身』があること、その言葉が強くて意味深いものであること」も同様に大事であると話す。

tettu.hatenablog.jp

なお、付け加えておくと、最もシェアされたものはBuzzFeed、The Guardianともに画像まとめだったらしい。

こちらの「小学校を思い出す画像まとめ」は3,000,000シェア。www.buzzfeed.com

こっちの「人口過剰、行き過ぎた消費が何をもたらすか」は500,000シェア。www.theguardian.com

ひたすらシェアを模索し続ける、特にBuzzFeedにとって、これも一過性のものかもしれない。実際にどのようなコンテンツがシェアされているのか実例を並べてみたわけではないのではっきりは言えないが、「パパッと作って終わり」の時代が終焉を迎えると、まあ悪くはないよなあと思ったりはするわけで(リスト型が悪いとかそんな簡単なことは思いません)。

とはいえ日本だとSNS市場が海外と比べてそこまで大きくないし、そこだけで重厚なコンテンツやろうとするとすぐ息切れしそうだなあなど思うので、地味にけんすうさんの取り組みが気になったりする。単価上げて体力つけて、ちゃんとしたの出そうとするの大事。

「長文は読まれる」って本当にそうなのか

f:id:tettu0402:20150407124028j:plain



検証の必要性


「長文でも読まれる」「いやあスマホだとざっくりがいいよ」。

同業者とコンテンツの長さについて話が上がると、ここについてはTwitterでの反応を見ながら「読まれないわけではなさそう」といった結論に至ることが多い。まだ読了率などの指標を取り入れているところも少ないからか、どうもぼんやりとした会話になってしまう。

体感として長文でも読まれるもの、刺さるものがあるというのは理解できるが、ちゃんと読む人がどれくらいいるのか、読了率でいうとどの程度の消費率なのかは気になるところ。これ、ちゃんと検証したところあるのかなあ。


長いにしろ短いにしろ、ユーザーにとって何かしらの「発見」がないとアカンねという点は変わらない。まあ、つまんなくて長文となるとガッカリ感が半端ない。

昨年末にハフポUK編集長の言っていたことを紹介したけれども、長文には長文であることの理由というか、必要性がないと単にだるい読み物になってしまう。「それは200文字で表現できないよね。君はツイートで反応することはできるけど、何を本当に意味しているのか、何について話しているのか、彼らの信念は何なのか、君のグッときたことについては、そんな少ない言葉じゃ表現できないはずだ」。
2015年は「バイラル」から「長文」に移り変わるのかもしれない - d_tettu's blog

今のスマホユーザーは浴びるほどの大量の情報にさらされているため、費やす時間に対して、どれだけのものが得られるか、という時間あたりの満足感についてはとにかく厳しい、というのが実感だ。長いのならば、長い必然性と最後まで読ませるクオリティを備えていなければ読まれない。単純だが、結局そういうことなのだと思う(伊藤大地)
データビジュアリゼーション、動画、長文記事......編集者として思ったこと【編集ノート】 | 伊藤大地

佐々木俊尚さんが語るTABI LABOとこれからのメディア像

f:id:tettu0402:20150331192631p:plain
ちょうど1年で、月間4000万PV、600万UUにまで成長したというTABI LABO。佐々木俊尚さんは「文化的な訴求力を保ちながら展開してきたという意味では、この成長ぶりはかなり驚異的なんじゃないかな」と話す。

これからの未来をつくる人の姿を描くというSpotwriteが3月29日に公開した動画から、TABI LABOと佐々木俊尚さんについて、主な部分を書き起こしてみた。これを見ると「あー名前貸しとかそういうさらっとした関係性じゃないのかもなあ」という印象を持つ。

TABI LABOについて語る佐々木俊尚さん

「色んなモノが変わってきている。明日はもっと良くなる、皆で頑張ればもっと豊かになれる。というようなモデルが成り立たなくなってきている中で、新しい生き方ってなんなのか、というようなことを考えなければいけない時期にきているのは間違いないです。

「そのタイミングが、2010年代の今だってことだと思います。

「世界中のコンテンツがあります。こういうのを集めてくる、自分の価値観で様々に探し出してくるというのがキュレーションという行為。例えば、どんな記事だったらTwitterでRTされるのか、どんな記事だったらFacebookでシェアされるのか様々なプラットフォームの特性と、こちらが配信するコンテンツの画像の使い方とか、文章の短さ、色んな要素によって、組み合わせが無限に広がっていくわけですね。

「その無限に広がっていく組み合わせを、きちんとデータ分析することによって、徹底的に読者のもとにきちんと送り届けるという。このやり方をどこまで構築できるか、ということだと思っています。

「我々はコンテンツをよりたくさん、我々の文化に沿った形で、紹介していくというのが、TABI LABOのやっていること。

「美食をしたりするよりも、家でみんなでご飯を食べたり飲んだりするほうが楽しいよねと、着心地の良い安い服を、普通にこざっぱり着こなそうという文化だったりとかですね。新しい世界的に生まれてきている都市文化みたいなものを、日本国内で一つのメディアとして表現していこうかなと考えています。

「世界に、ふれるためのメディア。

コミュニティ型へと進む

シーンは変わって代々木のTABI LABOオフィス。なんかアヒージョとか作ろうとしている。TABI LABO主催、アンバサダーを交えたパーティのための準備だとか。

「アンバサダーといって、TABI LABOのファンになってくれている人たちが何百人かいるんですけど、要するに、自分たちの代わりに良さを広めてくれる人を、アンバサダーという呼び方をしていて、一緒にコミュニティを作ってくれる人、みたいなイメージで捉えています。

「インターネットという双方向性のメディアが登場したことによって、メディアの役割がですね、お互いのコミュニケーションを増幅させるような、そういう、一種の新しい場を作る方向にきてるんじゃないかなと考えています。

「TABI LABOのやっていることは単にコンテンツを流すことだけじゃなくて、そのコンテンツを軸にして、多くの人が集まり、それで人々は一つの新しいTABI LABOというコミュニティ形成する、そういう方向に進みつつあります。

メディアの将来像は

「基本的にジャーナリズムというのはですね、すごい第3者的な立ち位置なんですね。自分自身でTwitterとかFacebookとかで発信できるようになってしまうと、第3者であるジャーナリストの役割って一体何なんだっていうことが問い直されるような状況でもあるわけですよ。

「そういう時に「自分自身が行動すること=一つの表現」となるというような新しいジャーナリズム、新しい表現者の在り方というのが僕は必要なんじゃないかと思っていて。だから今、TABI LABOという新しいメディアは新しい人と作るっていうことも、僕にとっては新しいメディア表現であると。

「だから「行動=メディア」という風に変わってきているというのはありますね。

「メディアと言うのはですね、空間なんですね。立体的な。かつて、テレビ見ているときはお茶の間だけ、新聞を読んでいるときは新聞紙の中だけだったんだけど、今メディア空間ってスマホとかすごく我々の生きている空間、生活部分そのものが全てメディア化されていくであろうと。

「だから、10年先、20年先のメディアってなかなか想像がつかないんですけど、とにかくその全ての生活空間のインフラになっていく、そういう基盤としてのメディア、っていう将来像を僕は考えています。

メディア化していく「自分」

アンバサダーの一人の男性は「リアルなところで繋がっていけば、そこでもなにか違う縁が生まれてくるんじゃないかなと思うから。例えばここでネットワークが出来たとしたら、この人と何かやってみたいなとか。そういうのがどんどん広がってくれるといいかなと思います」と話す。

ここでは、コンテンツの話は全く出てこない。

BuzzFeedとHuffington Post共同ファンダのJonah Perettiはかつて、Facebookの世界におけるコンテンツの役割について「メディアはあなたの感情を説明するために存在する」「人々は自分を定義するものをシェアする」と話した。

世界観そのものは似ている。その世界ではコンテンツは別になくても良いとさえ思えてくる。大事なのはコンテンツの在り方ではなくて、関係性の在り方や、「場」なのかもしれない。

バイラルメディアを名乗っていたあらゆるメディアが今では死屍累々と聞くが、見ていた世界がそもそも違っていたような気がする。

コンテンツは重要だが、もっと重要なのは、友だちと笑いを共有できることだ。by Jonah Peretti

「講談社の編集局が消える」への反応アレコレ

1941年から続いてきた「編集局」が、「事業局」と名称を変えて再編されるとか。

第一編集局など現在13ある編集系のセクションは、第一事業局~第六事業局に再編。書籍や雑誌を編集して終わりではなく、読者へ届ける方策まで意識し、関連事業も含めて発展させることを目的とする。このため一部の局には、内部に広告営業の機能も加えた。
70年以上続いた「編集局」、講談社から消える (読売新聞) - Yahoo!ニュース

個人的には時代の変化に対応するっていう判断で、いいじゃないのかなあという印象なのだけれども、どうなんだろう。「編集」ではなく「事業」に注力することで、金銭・数値的な判断軸が増しそうではあるけれども、出版系の人ってもともとそこを承知のうえで「うまいことやる」気質があるんじゃないかなあという気はする。どうなんだろうねえ。









withnewsの「東洋経済、月間1億PVの秘密」はリトマス試験紙なのか

f:id:tettu0402:20150223003626p:plain

このインタビューについてどう感じるかは、メディア関係者にとって良い”リトマス試験紙”なのではないかと思う。おそらく、この内容について「すごい」的な感想を持つのであれば、インタビューの聞き手もしくは対象と近しい人か、ネットメディア関連のこれまでの議論に関心を持っていなかったか、単に感動屋さんなのか、いずれかなのではないだろうか。
『withnews』東洋経済オンライン山田編集長インタビューは良い”リトマス試験紙”説


東洋経済、月間1億PVの秘密 「ヒットの法則はデータが語る」・上 - withnews(ウィズニュース)

「あんな無料サイトに書くな」 東洋経済は意識をどう変えたか・中 - withnews(ウィズニュース)

編集部8人で「年商10億円」へ 東洋経済オンラインの稼ぎ方・下 - withnews(ウィズニュース)
withnewsが二週間ほど前に出した、東洋経済オンライン編集長へのインタビュー記事。メディア界隈の人が多く反応し、その多くが「面白い」「勉強になった」というものだった。運営手法やビジネスモデルについて思ったよりも開けっ広げに話しており、個人的にも興味深いものだった。だってあの赤丸急上昇中の東洋経済オンラインさんじゃないですか、そりゃ内情は気になります。

ただ、一部ではトラフィック最大化の手法に強く関心が寄せられることや、前任編集長・佐々木さんへの姿勢にちょっと思うところもあったようだった。

聞き手の古田さんがツイートしていたこともあり、改めて、あまり賛同的なものではない「違った角度からの視点」と合わせてまとめてみた。考えさせられるものがあるかもしれない。

拾ったつぶやき





東洋経済、月間1億PVの秘密 「ヒットの法則はデータが語る」・上 - withnews(ウィズニュース)

結局PVで語るわけじゃん。東洋経済ってクソみたいな記事増えてるんじゃないの?

2015/02/10 01:08

東洋経済、月間1億PVの秘密 「ヒットの法則はデータが語る」・上 - withnews(ウィズニュース)

結局、まとめサイトも経済紙も最終的には同じ手法に収斂していくのね。生物学における収斂進化みたいな感じかな。

2015/02/09 15:29



聞き手のつぶやき















こういうのは「揺れ戻し」なところもあるし、同編集長も「ブログ的なのなくす、ちゃんとしたのを増やしていく」とどこかで言っていた気もするので、手法を学んだあとは批判的な声も落ち着くんじゃないかなーと、マイルドなことを言ってたらつまらなくて叩かれるのかそうなのか。

トラフィック最大化は良識の範囲内であれば必要な創意工夫ではあると思うので、組織改革やウェブ最適化の弊害が出てきたのであれば、どこかでその歪みが補正されるのではなかろうか。

一番最悪なのは、Tumblrで時折見かける「『僕の世代では、最も頭の良いやつの仕事は他人に広告をクリックさせることなんだ』と彼はしばしば言う。『最低さ』」な状態になることだと思うの。浪費される賢さ。

広告や数字の最大化が悪という意味ではないが、手段が目的化されるのは切ない。頑張れ頑張れ。

「オバマ大統領がキメ顔で自撮り」撮影したBuzzFeedすごい

「オバマ大統領にインタビューするよ」とプレスリリースを出したBuzzFeed。編集長のBen Smithが実施したインタビューでは同性婚などについて語られたようだ。

Obama Defends His Legacy: "These Are The Kinds Of Things You Learn" - BuzzFeed News
この他にも幾つかの記事が出されているが、全部は読んでない。ただ、Facebookに投稿された動画が非常にインパクトのあるものだった。「Things Everybody Does But Doesn't Talk About(みんなやってるのに話題にしないこと)」。なにこれすごい。

自撮りしたりバスケしたり、よく撮れたなこんなの…。
オバマ大統領はソーシャルメディアを積極的に活用した広報戦略で知られる。今回の動画も、その活動の一貫だったようだ。

オバマ政権は大統領のイメージ向上を狙って、大統領と有権者が直接つながる手法を取り入れてきた。ソーシャルメディアも積極的に活用している。今回の動画も、オバマ政権が目指す改革の一つの柱である医療保険への加入を国民に促す目的も兼ねている。
オバマ米大統領、おちゃめな動画をネットで公開 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

メッセージングを図りたい大統領側と、バズを作りたいBuzzFeed。お互いの利害が一致による撮影だったのだろう。
しかしまあすごいなあこれ。2千万回も動画再生されてる。

結局、編集者ってどんな仕事をする人なんだろう

先日話題になった以下の増田。ざっくり言うと、本を執筆することになって「編集者と仕事するなんてなかなかないなー」とか思っていたら、やってくれることなんて全然なくて困惑した、というもの。

編集者って何の仕事をする人なんだ。
このエントリーに対して、これまで編集者と仕事をしてきた、ないし実際の編集者と思われる人からの反応が相次いだ。それが非常に興味深かった。
編集者という仕事は多岐にわたる。そのため、「編集者とはなにか」という問いに答えることそのものが、その人の編集者観を表しているのかもしれない。

僕は編集者ではあるけれども、どちらかと言うと編成・マーケッターみたいな仕事を中心にしている。そのため、いわゆる紙の編集者とは異なるイメージを抱いているのかもしれない。ただ、共通項として調整役、何でも屋というような印象がある。「より良いコンテンツを、最適なパッケージングで多くの人に届ける(そのための調整役)」みたいな。

幾つかピックしてみたけれども、どれも意見が違ってとても面白い。

NAVERまとめ風に言う「1億3千万人・総編集者時代」の昨今、プロとしての編集者の在り方というのは、大きなテーマなのかもしれない。

編集者の最大の仕事は、社内で「その本を出せば儲かる」として周囲を説得することと、印刷会社およびデザイン会社の担当者とのスケジュール調整(主としてスケジュールが遅延している際の謝罪)です
http://anond.hatelabo.jp/20150211225021 とは別の編集者です。興味深かったので自分の..

一番の仕事は企画を立てること、その先の編集業務は完全に外注に出すこともある
日常やってることといったら、御用聞きというか、著者と印刷所と営業の間を駆けずり回って調整する仕事という感じだった。
anond:20150211201344

編集者って何の仕事をする人なんだ。

作家(ライター)へ営業する人って表現はいいと思いました。まぁ執筆前に所掌とか経費の取り扱いとか決めとかないとしんどいですよね(とはいえ、決めようとすると嫌がられそうですけど)

2015/02/12 13:29








ところで

年収1500万円の編集者ってどんな仕事するんだろう…。