@d_tettu blog

メディアとかウェブとかネコとかそこらへん。たまに日記。

野村純平(男子ハック)さんのポジティブなバイラルメディア考察

ネットの可能性を狭めるような結果にはしたくないねえ。
バイラルも叩かれてはいるけれども、方法論としては有用だと思うので、全てを否定するのはちょいとなあ。







バイラルメディアは創作者軽視なのか。

いろんな論点が入り混じる

手法としてのバイラルの活用と、著作物の掲載と運用の在り方と、なんだか入り混じって語られることの多いバイラルメディア。
エクスキューズのための論法となっているようで、数字欲しい臭しかしない。


創作者を軽視しているのか

「リンクバックしてるから還元だよね」の姿勢を一貫して否定するわけではないけれども、そこに違和感は生じる。






あったあった、rblgのこんな話

「rblgってどうなんだろう…違法なのかな...還元してるのかな...」論に見る、還元の在り方。
Tumblrが日本で流行り始めて、イラストをrblgすることや、それをローカルからうpすることの是非をめぐって論争があった。
そもそも違法性についてはこんな見解らしい。間違ってたらすまん。

・引用でなく全文転載、全画像転載だったりすると複製権の侵害。
→だけど、ユーザーの多くが匿名でサービス側もメルアドしか知らない。
日本法人もないし法的にも異なる環境だしで、訴えるのも高ハードル。
→かつrblgされまくるともう歯止めがきかない。打つ手なし。
→てなわけで、良くも悪くも燃えた例は多くない。
http://d.hatena.ne.jp/mame-tanuki+tiraura/20120110/mametanuki_vs_kanose

これを踏まえた上で、2007年にあれやこれやと議論。
始まりは、Flash作者が投げかけた疑問「Tumblrで無断転載ってどうなの?」
おおまかな流れは以下。
#34 tumblrとワタクシ http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Palette/5592/tokidoki34.html

・ざっくりまとめ
無問題というわけではない。場合によっては許容できるパターンもあるが、その許容範囲は個人差が大きい。
共存」はどうすれば実現できるのか?という点に尽きる。
「ネタ転載はずっとある。なくなればつまらないコンテンツばかりになるので、目をつむることも必要。なので、許容しなきゃという考え方もある」

・意見もろもろ
「転載される恩恵はなくはないが、それってどの程度あるの?」
著作権を侵害しているからダメ、ということではない。
→「敬意」があるかどうか。そしてその紹介の仕方に作者が嫌がる表現がないか。

「怒っているのではないのです」

個人的には「しょんぼりしているのです」という表現が気にかかった。「怒っているのではい」と。
汗もかかずに他人の作品を掲載して、それでいて「リンクバックしているからいいでしょw」とかそんな姿勢でいることへのがっかり感。
バイラルメディアをディスる人たちからすると、そんな姿勢への嫌悪感があるんだろうなあ。そりゃそう思うわ。

とは言えこのあたりは上述したように許容範囲に個人差があるので、どちらかと言うと感情的な問題をどう解決するか、ということのような気がする。
バイラル〜」でここらへんをうまく解決しようとしているとこが見えないので、やっぱり創作者軽視なんだと思います。
もしそのあたりも含めて解決しようとしているとこがあれば、教えてくれたら嬉しいなあ。

イチ編集者としてはこの話が盛り上がりに盛り上がって、バベルの塔よろしく天の怒りを買いあたり一面焦土と化すことを待っております。

※Embedはもちろんこの話に含みませんよ。

「バイラルメディアはゴミ」手法を生かすのはいいけど中身は…アチャー

キュレーションメディアサミット@CAに行ってきた。昨今話題のバイラルメディアあれこれについて、佐藤慶一さんの話も聞けるし、Spotlightの中の人も出るしでさらっと顔出しに。

昨今のバイラルあれこれ


佐藤さんのお話については、なるみさんのブログを見ていただければおおよそは分かるかと。
http://narumi.blog.jp/archives/9795630.html
個人的にはUpworthyに関する話題はやっぱり面白いなと。社会風刺と社会運動をしていた人たちが、硬い話題を届けようとして「発明」したのがアレだったていう。
ただ、中にはちょっと過激で一部批判を受けたりもしているようで、「あーなるほどなー」と思う点もあった。

どうなの?ゴミなの?

書き起こしはこっち→https://www.evernote.com/shard/s28/sh/572e141b-4e40-4aac-bace-7215b0e569ad/2850bfb336962f3ca03e3b072ec5628c
iemoの村田さん、Spotlightの渡辺さん、AmebaCOCOの金山さんでパネルディスカッションとなったのだけど、これがまた興味深かった。
「ぶっちゃけハム速だよね」という梅木さんの切り込みに対して、渡辺さんは「ゴミじゃない」と返す。キュレーションはコンテンツの作り方で、バイラルは集客手法、オリジナルでトラフィックを集めていいはず、と。
バイラルは手法なので~という話は同意なのだけど、村田さんは「デブリ」(宇宙空間を彷徨うゴミのこと)と表現。「by nameで探されないと価値ないよね」。

独自性のないとこは淘汰されるよね

ここの話についてはズレがあったと思うのだけど、手法自体に異論はないけれども、じゃあ中身はってなると「ゴミ」と浴びせられる哀愁。
結局その手法も「瞬間風速を稼ぐ手法」であって、上述の通りそのメディア自体に価値があってユーザーが訪問するレベルにならないとアカンよねと。
問題は中身なのよね、手法じゃなくて。
なので、CuRAZYが独自コンテンツを模索するのも分かるなあ。コンテンツロンダリングで価値を生み出すのって相当難しい。

墓場へ

ソーシャルとか情報流通の構造化とかあれやこれや

情報流通、発信者と受益者の構造化




「誰でも」の違和感

9GAGの創始者が言っていたことを思い出した。
ローンチ時のことを思い出して「あれは元々サイドプロジェクトだったんだ」みたいな。

面白いことを楽しめる場所が欲しかったんだ。でも、面白いことって誰にでもできるもんじゃないんだよね

とかなんとか。詳細は忘れてしまったけれども。
アラブの春なんかにあるように、確かに誰でも発信できて繋がることができるツールではあるけれども、構造化はされてるよねーとふと思い出した。

あとついでに思った

CuRAZYが資金調達したそうだが拒否反応すごそう

一億円引っ張ってきたとか

CAとかそこらへんから調達したとのことだが、これから独自コンテンツを作っていく体制にするそうで。

編集者4人、その編集者の方針に会わせて動くキュレーターが20人程度の体制を作りたい」(伊藤氏)。このあたりの話はViratesも語っていたのだけれども、調達で一足先にその体制を整えつつあるようだ。
http://jp.techcrunch.com/2014/07/09/jp140709-curazy/

Buzzfeedなんかもそうだが、キュレーションだけやってても先は見えているしどうにも差別化がうまくいかん。
同サイトの例だと、調査報道やNYTとの連携を通じて「これからは社会的意義も担う」みたいな方針を打ち出してから、著作権周りの批判なんかも弱まったと聞く。
プレイヤーが増え過ぎた領域で独自コンテンツに踏み出すのは定石ね。

とはいえあんまり反応良くなさそう

今回の件についてTwitterを遡ってみたものの、あんまり好意的な印象は無い。





なんか微妙な反応なのは...

バイラルメディア界隈に関する拒否反応が拭えないのはこういうことかなあ。

ぼくとしての印象

やっぱり汗かくの大事。汗のかき方も大事。

Upworthyの方程式「それはバイラルするのか?」

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面白いのが、最終的には広告費があるか、運が良いかどうかみたいな要素に左右される点。
資料は以下より。英語だけど結構まとまってる。
http://growthhackers.com/companies/upworthy/

100万View突破したのは5つだけ

SNS経由のトラフィックが9割以上とも聞くUpworthy。どのネタもシェアされるというわけでもなく、やっぱりネタによって差はあるみたいね。これを見ればわかる。
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半分以上は1万Viewもいかない…。100万Viewを突破したのは5つだけ。コンテンツ数ないとね。

「笑いを科学する」バイラルメディア、CuRAZYの勢いを資料で再確認

知ってはいたけど

ここらへん界隈で一番元気がいいなーとぼんやり思っていたCuRAZY。
SlideShareで公開していた資料で、その勢いを再確認した。

月間1900万PV、Facebookからの流入が72%

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月間UUあたりのPVがそこまでなので、偶発的出会いによる流入が多い印象。ファンってどれくらいいるんだろう。

提携メディアこんなにいたんだ…

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SPA!とかは見たことあったけど、こんなにいたのね。Spotlightにイケハヤさんのコンテンツが掲載されていたりするし、コンテンツの取り合いというかやり取りは今後も増えていきそうね。

見たわーBetweenとの共同プロモ見たわー

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TimeTicket[タイムチケット]にいた

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運営している伊藤さんを見つけた。
時間が空いたら話を聞いてみたいなあ。

メモ:コンテンツのソーシャライズとメディア観の変化

「これこれ、これが僕の感じてることだよ!」

エヴァを見た少年がお医者さんにこう話したようなことが、ソーシャルで起きていると思う。
Jonah Perettiが言うように、メディアは感情や感覚を説明するものとしての意味を帯びている。そして人々はコンテンツを通じて自己像を構築したり、自己表現をしたり、それによって承認を得たりしているのではないだろうか。

バイラルメディアで起きていることはそういうことで、単にシェアボタンを大きくしたりというものではないはず。

ともすればそれは失恋した高校生がカラオケで「私の気持ちはこれなんだ...」と言って震える歌を歌ったりする心境にも似ていたりするかもしれないが。

というメモ。

50年間、一緒にいたね...との写真が話題になるも「これ偽物じゃね」と激論


この写真がすごく話題になっている。投稿から2日ほどで2,000,000Likeされており、シェアも100,000件ほどされいるなど、相当のバズり具合。
我ながら「あ、素敵な夫婦ですね...こういうのもいいですね」と思ってたら、どうやら同時期に撮影されたものじゃないかと話題になっているようで。
指摘されているのは、映っている影。
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別人で撮影しただけじゃね?との声もあるが、実際のところは不明。背景にある植物も変化した様子がないしなあ...。どうなんでしょうね。
しかしまあバイラル系なんかが取り上げたりしているようだが、あんまり適当に取り扱って「ごめんてへぺろ☆彡」でいいのか考えさせられる事例だった。
面白けりゃそれはそれで良いと思う面もありつつ、なんだかなあ。コピペだけどいい話だから真偽はどうでもいいじゃん!っていうのもどうかなあ。

( ;∀;) イイハナシダナー

「ツイートされた記事≠読まれた記事」そりゃ誤解も起こるわ

ツイートされた記事は読まれていない?

The Vergeの記事によれば、記事を実際に読んだ人とその記事をツイートした人には相関性はないそうな(Twitter限定)。
まあ情報量が増えてタイムラインで表示される昨今、それをちゃんと消化できているかというとそれはなかなか難しいだろう。

どのくらいの量の情報が私たちのフィードに毎日流れて来るかを考えれば、それも驚くようなことではない。入ってくる情報をすべて読む時間がある人などいるだろうか。筆者は、自分の注意を引くようなヘッドラインが毎日大量に生成される中、ヘッドラインが流れてくるたびにその要点だけを理解できれば個人的には満足だ。
多くの人はツイートした記事をあまり読んでいない--Chartbeat調査 - CNET Japan

全部読んでないのにツイートすりゃ、そりゃあ誤解も起こるわなwwwと思いつつ、我ながら反射的にツイートしたりRTしたりすることもあるので、ブーメラン的なのが笑えない。
Upworthyでもこれに関する調査がされたようで、似たような傾向が示されている。

「記事を25%だけ読んだ人は、全く読まずに去った人、もっと読んだ人よりツイートする率が高い」というUpworthyの分析結果とも一致する。
Long Tail World: ツイートの多い記事が読まれてるとは限らない:People don't read the stories they tweet

Upworthyの調べによると...

同サイトは、これまで見てきたUUなどとは別に満足度を測るため「Attention Minutes」(コンテンツの何%を読んだか)なる指標を開発したそうな。
その結果によると上記の引用のような結果が出たそうだが、読了してさらにシェアした人の割合も高かったようで。閲覧とシェアとの相関性のグラフが以下。
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ううむ、なるほど、よく分からん。
個人的にはパーセンテージというよりは、コンテンツの文量との関係性も気になる。記事読了までの時間や、デバイスごとの違いもあるだろう。
Livedoor、LINEが運用している「ざっくり」系のコンテンツだとどうなんだろうとも。あれはその質はどうあれ、モバイルに最適化された一つの在り方だろうなあ。

Mediumの調査結果とは異なるそうで

米ソーシャルサービスMediumはかつて、読者にとっての最適な投稿の長さは7分で読了できるものだという調査結果を発表したが、Upworthyの調査ではこのような結果にはならなかったという。
読まずにシェアする人は意外と少ない──Upworthy調べ - ITmedia ニュース

7分て長くね。いや個人的な感覚だけれども。
モバイルの世界ではじっくり読むことはそれほど相性が良いとは思えない。
長文・特集系の振興メディアも海外では出てきているようなので、そういったメディアではどのような傾向なのか調査が出てきたら知りたい。