バイラルメディアは創作者軽視なのか。
いろんな論点が入り混じる
手法としてのバイラルの活用と、著作物の掲載と運用の在り方と、なんだか入り混じって語られることの多いバイラルメディア。
エクスキューズのための論法となっているようで、数字欲しい臭しかしない。
バイラルメディアに関して「非難してるお前ら馬鹿だ、ばーかばーか、おしりぺんぺーん」的に、昨今流行の例の泣き議員的な画像まで使ってオチョクる記事が出てきたので、ああやっぱり内心ヤバイという思いがあるんだろうなと感じると共に、「釣り乙」というツッコミを頭の中で高橋名人モード。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 7月 26
肯定否定と、運営できる出来ないという、関係のない選択を同列に並べるという詭弁まで用いているし、ね。 当方の主張は今朝の 「キュレーション」「バズサービス」と、「ネイバーまとめ」「まとめサイト」の違いに関する覚書 http://t.co/GC4UlJU4XR に大体まとめてある。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 7月 26
創作者を軽視しているのか
「リンクバックしてるから還元だよね」の姿勢を一貫して否定するわけではないけれども、そこに違和感は生じる。
盗用コンテンツによる構成物は盗用品でしかないし、トラフィックの還元云々ってのも詭弁。どこかで使われていた比喩の感もあるけど、「本屋内でハンディスキャナ使って各雑誌の最新号の人気作品だけコピーして、それで自分編集の同人誌を作り、その本屋内で販売する」行為と同じ。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 7月 26
そして、彼らが言うところのバイラルメディアと、海外で言われている「キュレーション」「バズサービス」とは別物。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 7月 26
むしろ最大の問題は、彼らが言うところの自称「バイラルメディア」なる盗用品を、検索エンジンが認めてしまっているところにある。「キュレーション」「バズサービス」と同一視してしまって、ね。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 7月 26
まぁ、今修羅場を迎えている漫画家先生の立ち位置で例えるなら、コミケの会場内で、作品を買った目の前でスキャニングしてサイトにアップして、有料会員向けに披露し、「これがバイナルメディアだ」「先生のサイトにリンク張ってるからトラフィック還元してるよ?」とドヤ顔されるようなもの。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 7月 26
(創作物という観点では、漫画だって、ブログやサイトの記事だって、同じよ? 文字だから、容易にカット&ペーストやスクリプトで抽出できるからといって、小馬鹿にしてませんか? >>盗用的バイナルメディアを肯定する方々)
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 7月 26
(彼らが言うところの「バイラルメディア」の肯定は、創作物や創作者の軽視、それどころか創作物・者の首を絞めているのに相当するということに、音楽や漫画の違法コピーを肯定するのと同じ行為だということに、気が付いている人はどれだけいることやら……)
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 7月 26
あったあった、rblgのこんな話
「rblgってどうなんだろう…違法なのかな...還元してるのかな...」論に見る、還元の在り方。
Tumblrが日本で流行り始めて、イラストをrblgすることや、それをローカルからうpすることの是非をめぐって論争があった。
そもそも違法性についてはこんな見解らしい。間違ってたらすまん。
・引用でなく全文転載、全画像転載だったりすると複製権の侵害。
→だけど、ユーザーの多くが匿名でサービス側もメルアドしか知らない。
→日本法人もないし法的にも異なる環境だしで、訴えるのも高ハードル。
→かつrblgされまくるともう歯止めがきかない。打つ手なし。
→てなわけで、良くも悪くも燃えた例は多くない。
http://d.hatena.ne.jp/mame-tanuki+tiraura/20120110/mametanuki_vs_kanose
これを踏まえた上で、2007年にあれやこれやと議論。
始まりは、Flash作者が投げかけた疑問「Tumblrで無断転載ってどうなの?」
おおまかな流れは以下。
#34 tumblrとワタクシ http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Palette/5592/tokidoki34.html
・ざっくりまとめ
無問題というわけではない。場合によっては許容できるパターンもあるが、その許容範囲は個人差が大きい。
「共存」はどうすれば実現できるのか?という点に尽きる。
「ネタ転載はずっとある。なくなればつまらないコンテンツばかりになるので、目をつむることも必要。なので、許容しなきゃという考え方もある」・意見もろもろ
「転載される恩恵はなくはないが、それってどの程度あるの?」
→著作権を侵害しているからダメ、ということではない。
→「敬意」があるかどうか。そしてその紹介の仕方に作者が嫌がる表現がないか。
「怒っているのではないのです」
個人的には「しょんぼりしているのです」という表現が気にかかった。「怒っているのではい」と。
汗もかかずに他人の作品を掲載して、それでいて「リンクバックしているからいいでしょw」とかそんな姿勢でいることへのがっかり感。
バイラルメディアをディスる人たちからすると、そんな姿勢への嫌悪感があるんだろうなあ。そりゃそう思うわ。
とは言えこのあたりは上述したように許容範囲に個人差があるので、どちらかと言うと感情的な問題をどう解決するか、ということのような気がする。
「バイラル〜」でここらへんをうまく解決しようとしているとこが見えないので、やっぱり創作者軽視なんだと思います。
もしそのあたりも含めて解決しようとしているとこがあれば、教えてくれたら嬉しいなあ。
イチ編集者としてはこの話が盛り上がりに盛り上がって、バベルの塔よろしく天の怒りを買いあたり一面焦土と化すことを待っております。
※Embedはもちろんこの話に含みませんよ。