スマホニーズ先攻の「LINE NEWS」
情報過多なこの時代、いかがお過ごしでしょうか。うだるような暑さで頭も働きませんかそうですか。まあどうでもいいんだけどね。
ところで、LINEがアプリをリリースし、ニュース領域に参入したそうな。ネットメディア界隈は「ついにきたか!」と限りなく少数が沸いているが、実際どうなんだろう。
ニーズ先攻LINE NEWS
「お前が言うのか」はまあ待て、話せば分かる。島村さんは以下のように話す。
PCではブラウザーのスタート画面で勝負が決まっていたが、スマートフォンの普及で状況が一変した。LINE NEWSはポータル展開の最初のステップ。LINEという集客装置があれば、絵空事ではなく本気でヤフーを超えられると思っている。
メディア事業で一番大きな収益を得るのは、最大のトラフィックを得るところ。ヤフーでバナーが売れるように、ナンバーワンメディアになればそれなりの収益規模になる。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20130718_608137.html
さまざまな取り組みを検討してきたがLINE NEWSはその1つの答えになる。
http://japan.cnet.com/news/service/35034836/
パッと探してみたところ直に取材しているのがこれくらいだったが、なーんかこうニーズ先攻でとりま市場とりにきた感。
いやまあニーズありきなのは当然なのだけど、マーケットイン的な考え方できたなーと。
既存のマスの人なんかは「激おこプンプン丸☆」だろうね馬鹿にしてますかすみません。
「チェック」として消費されるニュース
元からその傾向があったとはいえ、スマホの登場によって「チェック」としての側面が強くなった。
増え続ける情報、消費できる情報には限りがある。情報量が爆発的に増える中で、消費の在り方は二極化した。深く掘るか、ざっくりチェックするか。特に後者は隙間時間に利用されるスマホでのニーズが高い。
エンタメとスポーツが多いのはPV生成=ニーズが高いからだろう。詳細ページに関しては要約と関連情報を含め、200文字もない。凄く浅い。
ソース元へはダイレクトに送致しているようだ。livedoorニュースを利用していないのは意外。
送致先どうのこうのというよりも、要約ベースで多様なソースから持ってきたいんだろうなと。
知りたいことは多様に深く、世間的な話題は広く浅く「チェック」。スマホの登場で加速したなあ。
— やまぐち りょう (@d_tettu) 2013, 7月 18
いじって楽しい
LINEの頃からUXについて色々と考察してきた会社なので、「使い勝手の心地よさ」は百も承知だろう。LINE NEWSもストレスなく使えた。
アプリの世界では基本的に加点方式ではなく減点方式のはず。
浅い
もうね、凄く浅い。それが良いか悪いかは別として、「チェック」としてのツールに特化してる。見出しがあって、要約があって、関連ニュースの要約があって。それで終わり。フリックしたら次の記事に移る。
まあ消費のカタチとしてはそういうのもアリだろう。というかざっくり教えてくれないと咀嚼できないニュースなんて山ほどある。
無理だよね、深く知る情報とざっくり知る情報と切り分けて摂取しないと…。
激おこプンプン丸☆のメディア(たぶん)
こういった種類の情報消費のニーズは確実にあるし、アプリの世界では勝者がいないと、シェアを取りに来る背景はなんか分かる気がする。うん、分かる。
で、既存のメディアにいる人なんかはどんな反応するんだろう。いい気分ではないわな。
既存のマスなんかはマーケットインとは別に「お前は興味ないかもだけどこれ大事だから知っとけよ」的な考え方を支柱に情報発信をしている。そこがLINE NEWSとの違いだ。
※部分的には読者を「とる」ための情報発信もしているが。
で、マーケットインの考え方で走りだしたLINE NEWSには、あんまりその匂いがしない。
別にそれが良いか悪いかは別として、ニーズありきなので戦場が重複しない気もする。Yahoo!ニュースとはちょいと違うような。いわゆる「マス」であるかどうかの違いで消費のされ方は異なるだろう。
しかしながら気になる点はこういった流通業者が幅を利かせることで、マスが割を食うこと。高コストをかけて貴重なソースを発信する人たちが冷や飯を食うことになるだろうなあと。
情報方の昨今、キュレーションの時代とも言われるが、問題はコンテンツをどう生むかではなく流通をどう解決するかだ。情報発信源の価値は意識上では減退する。
マスで記事を書く人たちは流通に支配されるのを嫌う気がするので、たぶんLINE NEWSにいい気はしないだろうなあ。ソースの提示と要約があれば成立する世界。
— やまぐち りょう (@d_tettu) 2013, 7月 18
もちろん、価値のある唯一無二のソースを持てば戦えるが、高コストでそれを抱え込むメリットがどこまであるのだろう。いずれはテレビなんかを見て「ぎゃははこんなこと言うとるでおもしれー」的な情報が奔流する。NAVERまとめでゴミみたいな二次流通品が増えるように。
とは言え流通業者もしんどそう
そうなると後者の世界では特に流通が幅を利かすようになるので、なーんかあんまりオイシくない気配。VingowもGunosyもLINE ニュースもドヤ顔で活躍するも、似たようなのが増えてパイの取り合いなってく。
— やまぐち りょう (@d_tettu) 2013, 7月 18
そんなことを思いつつでは流通業者が片手うちわかというと、そんなこともなさそう。
同一プラットフォームで戦わざるをえない環境では、PCブラウザよりも乗り換えコストが低い。同様のサービスが増える中でパイを取り合うことになるはずだ。
そう考えると、つぶやいたようになーんかオイシい感じはしない。結局レッドオーシャンな気がするんすよねえ、ここらへん。プレイヤーは増えるばかりだし。
そんなことを考えていたら今後のことを考えてしまった。
うーんずっと編集一本もなあ。分析とかやってきたしデータサイエンティスト()にでもなっとくか。
とりま、LINE NEWSについては引き続きウォッチということで。