@d_tettu blog

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ウェブ診断で知った「強み」とその操作について

「強み」を知る

先日、「ストレングス・ファインダー」というウェブ診断をやる機会があった。これはギャラップという市場調査会社が、数万人規模のデータを元に、自分にとっての「強み」が何なのかを提示してくれるというものだ。「社交性」であるとか「最上志向」であるとか「ポジティブ」であるとか、34の要素から上位5件を示してくれる(1万円ほど追加で支払えば、自分にとっての強み弱み34の序列を知ることができる)。

「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす」という本を購入するとこの診断を受けることができる。一時期、日本でも流行ったもののようで、周囲ではこのテストについて知っている人もいた。

テストの結果、上位には「収集心」「学習欲」「内省」なんて言葉が出てきた。それぞれその言葉のままだ。結果ではなく、過程に喜びを見出すタイプのようだ。これらの要素それ自体には上下関係はなく、それぞれ異なる要素を持っている人たちを組み合わせて生産性を高めよう、または、自分にとってより良い環境や仕事に身を置こう、といった考えが根底にある。

上位には「運命思考」なんて言葉もあった。「偶然に起こることは一つもありません。あなたは絶対にそう思っています。それは、人々が互いに結びついていることを、心底から確信しているからです」なんていう、なかなかエモい()要素のようだが、確かにそういった考えはある。ジョブズの「点と点がつながる」なんて、すっと心に入ってくる。
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SO2を思い出す

このテストについて説明を受ける際に、これらの強みはいつ頃に固定化されるものなんですか、と聞いてみた。幼少期…小学校に入る前にはある程度決まるとのことだった。13才頃には完成するに近づいている状態にある、という説明もある

僕はその時、ちょうどスターオーシャンセカンドストーリーを懐かしくも再プレイしていた時だった。

このゲームは1998年に登場したいわゆるRPGゲームで、まあ、超ざっくり言うと、悪いやつが宇宙を破壊しようとしているからそれを阻止して惑星を守る、みたいな話だ。

それぞれのキャラクターには「スキル」があり、レベルアップしてポイントを貯めて、個々の能力を開花させていくというシステムを採用していた。例えば料理、薬品などの調合、機械の操作、中にはピックアップという「スリ」のスキルなんてのもある。

もちろん、各キャラには才能もある。男性主人公キャラだと手先が器用だから武器をいじったりするスキルが開花しやすいし、女性キャラだと料理系が良い、といった具合に。そんなわけで、レベルアップのたびに「こいつはこういう才能があるから、ここらへんから優先的にスキルを割り振っていこう」というようなことを考えたりする。

僕が強みの固定化について聞いた時に想像していたのが、そういったスキルの割り振りみたいなものだった。

幼少期に「強み」が固定化されるのであれば、それまでに市場価値の高そうなものを抽出して、それを得るために環境を整備するといった考えも出てきたりするのかな、と。もちろんこういった考え方は前述したように、今回の調査には馴染まない。強みに順位などないのだから。

とは言え、自分の思った通りの「強み」を身につけた子を育てたい、という欲求も生まれうるだろうという気はした。「親密性といったものよりは、最上志向や戦略性みたいな要素のほうが、結果にコミットしそうでお金を払ってくれる雇い主は多そうだ」。市場はありとあらゆるものに値札をつける。

そんなことを考えている時の僕の目は、たぶん、デザイナーベビーを求める親のそれとそれほど変わらない気がした。※受精卵の遺伝子操作などにより、親の望む外見・知力・体力などを与えられた子供。