@d_tettu blog

メディアとかウェブとかネコとかそこらへん。たまに日記。

ウェブではSTAP細胞の報道が「ゴシップ以下www」と言われることもありうる

「ゴシップ以下」と言われた日本の報道

日本の主要新聞は、毎日新聞以外は、発見そのものには全く関係ないことばが散りばめられており、記事の内容もかなり浅く、小保方博士の年齢、性別、服装など、業績には全く関係のない事ばかりが明記されています。日本を代表する一流紙なのにも関わらず、欧州のゴシップ紙以下の内容です。
一晩中泣き明かした30歳若手女性研究者と書く我が国にはゴシップ新聞しかないらしい - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)

こんなことを言われている。実際に小保方さんの横顔に焦点を当てた記事も出回ったし、各ポータルサイトで掲載されたのも事実。

「リケジョ」ってなんやねん、等の個別の記事内容に関してはここでは扱わないとしても(「俺の思う正しい報道のあり方」論の行き着く先は視聴率主義のような気がするのでちょっと保留)、この件をめぐってはツッコミも出たようで。

新聞の味方なんてしたくは無いけれど、結論ありきの印象操作は気に入らないので - sajiwo投げる

まあそんな記事ばっかりじゃないよ、という指摘。例えば。

今件が印象操作なのかは不明だが、少なくとも各紙は1面でSTAP細胞についての本記(発見についての記事「驚くべき発見」的な)を掲載し、2面や社会面などで横顔などの記事を掲載していた。自分の読んだ限り。

分断されるコンテンツ

ここに悪意があるかどうかはよく分からないが、ウェブでは上記のような「あれ、これについての記事ってなんか偏ってね?」ということは構造上起こりうる。

いやまあ単純だよね、ウェブだとコンテンツは分断化して消費されるし。


紙面では連続的に提示されるコンテンツが、ウェブでは個別の記事として分解されて消費される。かつて中川淳一郎さんが、ウェブ編集者としてコンテンツを生み出したように。

このようなコンテキストを排した消費の在り方は各所に見られる。

[PR]との文言なく消費されるネイティブ広告もそうであれば、上に記したようなストレートニュース/サイドニュース的な消費の在り方もある。
また、ユーザー側にとってはマルチデバイス型の消費構造も非コンテキスト型と言えるかもしれない。PC→スマホ→テレビといった非連続型の情報消費。

解決の難しさ

このような分断化した、コンテキスト無視のコンテンツ消費の在り方に対する解は出ていない。それはUIの問題かもしれないし、アーキテクチャ構造の問題かもしれない。

もしかしたらLINE NEWSやLivedoor Newsのような時系列による「まとめ」などが助けになるかもしれないが、検索/ソーシャル/ポータルを含むアンテナサイトが入口となる状態では、それらが適切な解と言えるかどうかはなかなか難しい。
あーまあUIの工夫でなんとかなるかもしれないけど。

朝日新聞の古田記者も下記のように話す。ちなみに、一連のつぶやきのまとめは以下。
めいろま氏と古田大輔氏(朝日新聞記者)のやりとり - Togetterまとめ



ひとつの記事をいかに読まれるようにするかという視点とは別に、コンテキストがないと誤解を生じさせかねない情報については、相応のパッケージングの在り方を模索しなくてはと思う。
それは最近流行りのバイラルメディアとの潮流とは逆行するかもしれないが。

佐々木俊尚さんはユーザーの視点から以下のように指摘する。


確かになあ、自分の知っている情報を寄せ集めて「代弁者」と化すのもアレだなあと思い、今日はもう寝る。

なんか難しいこと考えたけどビール飲んでりゃいいんだよ!