@d_tettu blog

メディアとかウェブとかネコとかそこらへん。たまに日記。

New York Times「雑誌の体験をウェブに持ってくお」

「雑誌体験」を提供するデザイン

NYTが折に触れて述べる「デザイン」、今回のプロジェクトでは雑誌の体験をどうウェブに最適化するかが模索された。
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Who Made That?
こちらはHTML5、レスポンシブ・デザインで構築された「イノベーション」についてのコンテンツ。絆創膏やエアーバッグ(『cat video』なんて項目もある)などの、歴史や生み出された背景についてつらつらと書いてあり、とてもシンプル。
広告は数ページごとに挿入される動画広告のみ。赤いだろこれ。
「このプロジェクトの目的は、雑誌におけるアートディレクションの一部、例えば写真やレイアウトといった要素を、ウェブに持ってくることにある」とJohn Niedermeyer氏は述べる。

「ぶっちゃけムズイんですけど」

氏は「我々は読者に、どのデバイスでも優れた体験を提供したいと考えているし、それを実現するデザインを模索し続けたい」と続ける。ウェブデザイナーにとって、異なるスクリーンサイズにすぐ適応するページを作るのは今でも複雑な作業だ。「いやまあ、まだプリントデザイナーが持つべきようなツールなんて用意できてないんだけどね」

読者は何を求めているのか

QuartzThe Next Webの例にもあるように、メディア系サイトのレスポンシブ化が顕著だ。ソシャゲでもない限り、提供できる体験も共通的で優れている。
では、読者が求めるものは何なのか。氏はこう説く。
「とりわけ、小さくて似たようなモバイルデバイスについて、小さい『皮』(邪魔な何か)だったりPR要素だったり、良い読書体験を損なわせる細かなものが目立つ。まず『読めること』、それが読者の求めていることだ」
NYTでは『Snow Fall』や『Firestorm』にように、HTML5でどのようなコンテンツを提供できるのか、模索がされている。それらのプロジェクトは「より複雑だ」としながら、「まだ前途にある」と話す。

NYTなどの取り組みはとても興味深く、あー未来いってるわーと感じる。
とはいえその「体験」は日本ではどこまで受け入れられ、何がベストなのか。特にモバイルの世界では小さなストレスや違和感が大きな障害となりうる。
話題のQuartzに「シンプルで素敵!抱いて!」みたいな反応があるが、そのやり方が日本にローカライズできるかというのも、なんかよう分からん。

「要約vs.特集」の2極でデザインやサービスの模索が続くような印象があるので、ここらへんは引き続きウォッチしたい。
チェックされるものとしてのコンテンツと、深堀りとしてのコンテンツと。