写真共有アプリ「Snapchat」はギリシャ国民投票をどう伝えたのか
10秒以内に消滅する写真を送れるアプリ「Snapchat」によるギリシャ国民投票の伝え方が面白かった。
米国の若年層に人気のSnapchatはあくまでも写真共有系のサービスではあるのだけど、CNNやVICEなどと契約してニュースを配信している。tettu.hatenablog.jp
久しぶりに開いてみたら、そこには「Greece Votes」との項目。ストーリーなんてあったんだ。
タップしてみると動画形式でギリシャ国民投票についての、簡単なまとめが流れる。ギリシャがどういう状態にあるのか、投票した市民(たぶん市民)がどう行動したのか。
The Snapchat story on the Greek referendum is actually really good. pic.twitter.com/Mu8KWXpy16
— Kevin Roose (@kevinroose) 2015, 7月 5
Snapchatはギリシャ国民投票を、ユーザーの声を通じて伝えている。おもろー。 https://t.co/pL0uDaH3YO
— 山口亮 (@d_tettu) 2015, 7月 5
— 山口亮 (@d_tettu) 2015, 7月 5
米国ではニュース系の短尺動画(Now This Newsのような)が流行っていると聞くが、これだったらまあだらだら見ちゃうかもなあ。
日本だと同様の「短尺動画まとめ」をするならInstagramかFacebook、Vineがあるだろうけど、まだ実践しているところがそうない。毎日新聞くらいかなあ。
今月から毎日新聞ニュースサイトで始まった「注目ニュース90秒」。こんな感じで地道に撮影しております。きょうもお楽しみに〜 pic.twitter.com/mk1LHaKDZ5
— 元村有希子 (@chibigenome) 2015, 6月 4
たとえばこんな動画。まとめというか語る感じではあるけれども。mainichi.jp
この手の取り組みは「ユーザーにどうリーチさせるのか」という問題とすごく近いので、自社サイトでやるだけではなくてSnapchatみたいなところにどう載せるか、といった点も平行して考えたほうが良い印象ではある。
自社アプリがユーザーを囲っているならそこでやる、とかでもいいけど。
それにしても、プラットフォームがコンテンツを囲い込む潮流が続く。SNSや動画といった世界に強い製作会社になるかプラフォ側になる、少なくともどちらかを握っていないと厳しい世界だ。
そして前者を担うのであれば、「うまくやりながら」、そこに流すコンテンツが流通最適化しすぎないようにしないと堕落し続けることになる。堕落の先には何が待ち受けているのか。くだらない世界なのかもしれない。くだらないの好きだけどね。
メディア事業者にとっては、読者の発見を、そして読者にとってはコンテンツの発見を、つかさどる存在。プラットフォームは、“コンテンツ配信”をめぐりこれまで以上に大きな影響力を周囲に与えようとしています。
この先に、新たな関係を有機的に構築していくためには、メディアとコンテンツの意義についての深い洞察と合意が必要になってくるはずです。
従来メディアを揺るがすものとは?/テクノロジー優位な時代のメディアとコンテンツの行方 | 藤村厚夫 Media Disruption