「1次取材のメリットってなんなの?」の衝撃
ネットのキュレーションメディアがネット上の情報をコピペする時代、
一次取材の意味を出版社、ネットニュース編集者、広告会社の立場から語る。
ネット時代に一次取材のコストをどうマネタイズしていけるのかも議論したい。
(Written by 嶋浩一郎)
Program | iMEDIA MEDIA SUMMIT
ケトル嶋さん「うんこみたいな編集をしている一部のネットのメディアについて今日は話したい」 @ iMEDIA MEDIA SUMMIT 「一次取材 VS コピペ編集」
— 谷口マサト (@chakuriki) 2015, 5月 12
1)昨日、media summit 2015に参加し、すごく驚く発言がありました。1次取材VSコピペ編集というセッションでしたが、話題は1次取材というより主にネイティブ広告など収益面のお話でした。驚いたのは会場からの質問です
— 古田 大輔 (@masurakusuo) 2015, 5月 13
2)「メディアにとって1次取材するメリットはなんですか」。この質問を聞いた瞬間、「メディア」という言葉は本当に多様だと痛感しました。報道機関の記者に「1次取材するのはなぜか」と聞くのは、登山家に「なぜ山に登るのか」と聞くようなものだからです
— 古田 大輔 (@masurakusuo) 2015, 5月 13
3)記者にとって2次取材というのは「1次取材ができないときにやむを得ずするもの」。その「常識」はメディア関係者の中でも完全に消えていることを実感しました。それも仕方がないと思います。なぜなら、1次取材なしでも良いコンテンツはあるからです
— 古田 大輔 (@masurakusuo) 2015, 5月 13
4)今朝未明に発生した米国のアムトラック脱線事故。速報記事が圧倒的に充実していたのは、現場にいち早く記者を派遣したメディアではなく、BuzzFeedとHuffington Postでした。乗客が撮影したインスタ動画やツイートをエンベットした記事は臨場感にあふれていた
— 古田 大輔 (@masurakusuo) 2015, 5月 13
5)一方で、自社の「1次取材」にこだわり、文字に依存した伝統メディアの記事は映像的に見劣りしました。彼らは現場から、BuzzFeedの記者はロスアンゼルスから報じているのに。現代における「1次取材」はその意味を変えている証左です
— 古田 大輔 (@masurakusuo) 2015, 5月 13
6)こういう事例があるとすぐに「だから1次取材は意味がない」というようなことを言いたがる人がいます。それは間違いです。本人が言いたがらないこと、本人すら自覚していないこと。そういったことを引き出すにはプロによる1次取材が不可欠です
— 古田 大輔 (@masurakusuo) 2015, 5月 13
7)その両方をこなそうとしているメディアは世界的にもまだ数が少ないし、日本にはこれから誕生するのだろうと思います
— 古田 大輔 (@masurakusuo) 2015, 5月 13
koba-shu.hatenablog.com
半端ないなー。確かにEmbedと取材が必要なものと切り分ければ良いものもあるけれども、1次取材に対して「メリット」っていう言葉を使うんだなあ。
メリデメで語られるということは、取材それ自体が経済合理性の枠組みに入れられているということなんだろう。コストなど、それによって得られる対価が上回らなければ取材しない…えっ。
まあそういう時代なのかもしれない。無駄なことをする必要はないけれども、それってメリデメで語られちゃうんだなあ…。