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@d_tettu blog

メディアとかウェブとかネコとかそこらへん。たまに日記。

記事読了率とシェアは無関係なのか

コンテンツマーケティング、ネイティブアドの隆盛を背景に、読了率をめぐる話題がホットなようだ。記事を通じてユーザーを見込み客へと育てたい広告主側と、スマホ市場の拡大でPVベースの収益構造に限界が見え始めたメディア側、双方のニーズにより盛り上がってきたのではないか。

これまではどの程度読まれたのかという指標に「シェア」を用いることもあったかと思うが、シェアと読了率はどのような関係性にあるのだろう?

関係性をさぐるのが難しい「シェアと読了率」

Upworthyが2014年の2月に発表した調査結果によると、シェアと読了率は簡単な1次関数のような関係性ではないらしい。
コンテンツの訪問者に占めるそのコンテンツをシェアした人の割合と、コンテンツのAttention Minutes(コンテンツの何%を読んだか)の相関関係をグラフ化した図がこちら(資料:Upworthy)。
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25%読んだだけの訪問者でもその8%近くがシェアしているが、完全に読了した後もコンテンツを開いている訪問者に占めるシェアした人の割合の方が高いことが分かる。最もシェアする人の割合が低いのは8割ほど読んでからコンテンツを離れた場合で、コンテンツにシェアする価値がないと判断した結果だろう。
読まずにシェアする人は意外と少ない──Upworthy調べ - ITmedia ニュース

Slateによる調査(Chartbeatsというツール使用)もシェアと読了率の関係性を読み解こうとしたものの一つだ
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多くの訪問者はスクロールせずに離脱し、50%前後を境に読了率は減少していく。
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そして読了率(スクロール率というべきか)とツイートの関係性をグラフ化したのが上の図だ。うむ、さっぱり分からん。無関係じゃね。

Chartbeatの主任データサイエンティストを務めるJosh Schwartz氏は次のように述べる。

(ある記事に関する)ツイート数とその記事へのトラフィック総数との間には、明らかに相関関係がある。だが、最もじっくりと読まれている記事と最も多くツイートされている記事との間に、関連性は全くない
多くの人はツイートした記事をあまり読んでいない--Chartbeat調査 - CNET Japan

読了率とはやや異なるが、BuzzFeedのデータサイエンティスト・チームは、シェアと滞在時間の関係性をこう話した。

ソーシャルメディアでシェアする人たちの大半は、デスクトップだと3分半、モバイルだと2分以上滞在してからシェアする。
You're not going to read this | The Verge

ここでいう「大半」がどの程度のものなのか、それぞれの滞在時間でどの程度シェア数に違いが出てくるのかなど、細かいグラフや記述を見つけることはできなかった。

「読了率」そのものがどうやって測定されているのか、スクロール率で測っているのかビーコン仕込んでビューで見ているのかなど、ツールによってバラバラではあるだろうが、読了率とシェアとの関係性は簡単には解き明かせなさそうだ。無関係じゃね。

色々と見ていて実感として思うのは、少なくともじっくり読む人はそんなにいなんだな、というものだ。「ざっくりvs.長文」なんてことが話題に上がったりもするが、文章の長短なんて本当はあんまり関係なくて、斜め読みでもざっくり主旨を理解できる文章構造だとか、何について述べているのかなどを想起させる画像の使い方であるとか、そういうものの方が大事なんじゃないのか、とか思ったりもする。

読了率でみるよりは、そういった構成要素とシェアとの関係性を読み解いたほうが、この場合は有益な結果が出るのかもしれない。