データでみる2014年の「Facebookの次」をめぐる争い(Pew Research)
Pew Research Centerが9日に公開したデータによると、各所で言われている「Facebookが当たり前のように使われている一方、併用的に別のソーシャルメディアが使われる」という傾向がみられる。
どうもそのデータを眺めていると、Facebookはいわゆる「大人」の標準的ツールとして普及しており、Instagramに関しては「若者」のそれとして広まっているように見受けられる。
※データは2012年から収集されたもので、2014年のデータに関しては米在住の18歳以上の1,597人を対象、電話調査によるもの。
Social Media Site Usage 2014 | Pew Research Center's Internet & American Life Project
Facebookの一般化とともに、Instagramについてのポイントも以下のようにまとめた。
併用して利用されるソーシャルメディア
52%のユーザーは2つ以上のサービスを利用している
52% of online adults now use 2 or more social media sites, significant increase from 2013 http://t.co/Zr9DU71hzv pic.twitter.com/43DlfbEiZU
— Pew Research Center (@pewresearch) 2015, 1月 9
Proportion of Facebook users who also use another platform up significantly since Aug. 2013 http://t.co/9LJELlFbkW pic.twitter.com/xMs9mBihlH
— Pew Research Center (@pewresearch) 2015, 1月 9
52%のユーザーが2つ以上のサービスを利用している(2013年は42%)。1つしか利用していないというユーザーの79%はFacebookを利用。
また、Facebookを除くと、InstagramとTwitterがお互いに高い相互関係を見せている。
みーんな使ってるFacebook
Facebookが最も使われているが、他のソーシャルメディアも高い成長率である
Social Media Update:Facebook still most popular, but other platforms see higher growth rates http://t.co/y0jeuotwey pic.twitter.com/9kgC3xsF0E
— Pew Research Center (@pewresearch) 2015, 1月 9
65歳以上のインターネットユーザーの半数がFacebookを利用していて、その数はシニア層の31%にものぼる
For first time, more than half (56%) of all online adults 65+ use Facebook http://t.co/Zr9DU71hzv pic.twitter.com/Is1o65TvOs
— Pew Research Center (@pewresearch) 2015, 1月 9
Facebookが最もポピュラーなソーシャルメディアとして君臨し続けるが、その成長スピードは鈍化し、一方で他のサイトは成長を続けている。
Facebookは「ホームベース」として使われている。ただ一つしか使わない人たちにとって最もポピュラーなサイトとして存在し、また、他のプラットフォームと並行的に使われる存在でもある。
Facebookユーザーは多様な交友関係をそのプラットフォームに有する。
- 87%は高校や大学といった昔の友人とつながっている
- 58%は同僚とつながっている
- 45%は親とつながっている
- 43%は子どもとつながっている
- 39%は個人的に実際に会ったことのない人とつながっている …etc
若年層で普及するInstagram
18歳〜29歳のネットユーザーの53%がInstagramを利用
In one chart: who uses Instagram http://t.co/AEUPJMSGbn pic.twitter.com/GXKHyyDUSw
— Pew Research Center (@pewresearch) 2015, 1月 9
Instagramユーザーの49%が毎日利用(Facebookは70%)
Facebook has the highest frequency of use among social media sites http://t.co/5RwKnOKPHQ pic.twitter.com/0hnyXP3EKZ
— Pew Research Center (@pewresearch) 2015, 1月 9
2013年には18歳〜29歳の37%が利用していたサービスだったが、2014年になってその数字が53%に伸びるなどめざましい成長を見せている。とりわけ女性の利用が目立ち、都市部やその近郊に住むヒスパニック系やアフリカン・アメリカンが利用する傾向にある。
また、Instagramユーザーの49%が毎日利用しており、32%は1日になんどもアクセスしている(2013年の傾向と目立った差異はみられない)。
熾烈さを増す「2つ目」競争
一時期はFacebookとTwitterのどちらが勝つか、どちらかが食われて衰退するのではないか、といったことも耳にしたが、やはり併用的に使われるものであることは間違いがなさそうだ。
Facebookがある種の「ホームベース」として使われる一方で、あるバーティカルな、ある特定のコミュニティでのソーシャルメディアなど、2014年は「2つ目」をめぐる競争の年だったんだなというのがわかる。
2014年にはそれぞれが順調に数字を伸ばしたようだが、「1日に何度も使われるサービスであるかどうか」という点に注目すると、Instagramが一歩リードしているようだ。
ここに挙げた2つ以外にもPinterestやTwitterなどについても調査されてはいたが、これらと比較してInstagramの数字がやや目立つように思えた。特に、若年層を中心に成長が進むという意味で。詳細は元記事を見てほしい。
※また、ここにはモバイルメッセージに関するデータがなく、広義的な意味での「ソーシャル」の実態を考えるにあたってはちょっと物足りない気がしないでもない
2015年はどうなるか、上述したような「2つ目」をめぐる競争の過程でどこかが飲まれるor食われるというよりは、それぞれの提供する価値を磨き、ある程度のサイズに達した段階で横ばいになり、しかしユーザー急減といったことはなく…といったような、ゆるやかなステップを踏むのではないかと思う。
個人的には若年層を中心にややクローズドな、ミニマムサイズのコミュニティサービスの行方がきになるところではある。Instagramしかり、メッセージサービスしかり。
もしかしたらこれら以外にも、特定の用途、コミュニティに特化したソーシャルメディアが、流星の如く現れて話題をかっさらっていくのかもしれない。その時はできればドでかい花火を打ち上げて、もしダメでも華麗に散っていく様を見て酒のつまみにでもしたいなあと思う。
いい年になりますように。